VSHG改のBrook UFBをFusionに交換

 セガの古いアケコンであるバーチャスティックハイグレード(VSHG)を改造して、自作アケコン用基板の「Brook UFB」を搭載した記事を2021年に掲載していますが、PS5対応用の追加基板「UFB-UP5」はスルーしていたところ、これをマージした「Brook UFB Fusion」が登場したので、交換してみました。

 といっても基板のサイズやピン配置は同じで、これまでの「Brook UFB」に挿さっているケーブルを「Brook UFB Fusion」に挿し替えるだけで済むので、特に語るべきところはありません(笑)。

 旧版である「Brook UFB」はピンヘッダーなしバージョンを買ってしまったため、ピンヘッダーを個別に用意してはんだ付けするとかの作業をしましたが、今回のFusionの基板はピンヘッダーありバージョンなので、基板を交換するだけでした。基板上のUSB用ピンヘッダーに接続するよう改造していたVSHG内部のUSBコネクタもそのまま流用できました。

「Brook UFB」を搭載していたVSHG改の内部
左上に「4in1」とあるのが、これまでの「Brook UFB」。ピンヘッダーは必要なものしか付けていません
下が新しい「Brook UFB Fusion」。サイズやピン配置は同じですが、基板上のICにわずかな違いがあります
「Brook UFB Fusion」に交換。コネクタを挿し替えるだけでした。右側、黒緑白赤のケーブルがつながるコネクタはVSHG本体に備わっているUSBケーブルで、基板上のUSB用ピンヘッダに接続しています。プレイヤーLEDとターボボタン用LEDは結線していません

 ファームウェアは2023年7月12日に不具合を修正する「V3.9」が公開されています。私は2023年の8月初旬に購入しましたが、基板上の製造日のマークは2023年6月23日となっており、ファームウェアの更新が推奨される状態でした。

 ファームウェア更新用ツールでは「Tournament」「Standard」の2つのバージョンから選択できるのですが、「Tournament」は大会用でキーマッピングが変更できず、ターボスイッチの設定も無効化されるバージョンです。「Standard」はその2つの機能が利用できるバージョンです。※最新版では変更されています(2024年3月)

ファームウェア V3.9への更新。デフォルトで「Tournament」が選ばれているので、私のようなターボボタンを使いたいカジュアルユーザーは「Standard」を選ぶ必要があります
ファームウェア V4.1.0 M1への更新。日本語化され、トーナメント/スタンダードの選択はなくなりました (2024年3月)

 換装が完了、PS5に接続すると、無事PS5専用タイトルの操作ができました。もちろんPS4タイトルもプレイできます。

 これまでの「Brook UFB」と同様に、PS系とXbox系に接続した場合は、自動識別で内部のモードが切り替わります。PSに接続すればPSコントローラーとして、Xboxに接続すればXboxコントローラーとして認識されるわけですね。PCに接続した場合、自動認識モードではXbox One For Windows コントローラーとして認識されます。マニュアル操作で認識させるモードを指定することもできます。

PCに接続した場合、自動認識ではデフォルトでXbox Oneコントローラーになります。マニュアル操作でPSなどほかのプラットフォームのコントローラーとして認識させることもできます

 Switchに接続した場合は、UFBがSwitchの自動認識に対応していないので、「1K」ボタン(弱キック、VSHGの天板の表記は□)を押しながらUSB端子をSwitchに接続する、というマニュアル操作の手順により、Switchに正しく認識されるモードになります。このモードは、元はWii U用のUSB接続の格闘ゲームコントローラーであるポッ拳コントローラーとして認識されるモードのようです。変更したモードはBrook UFB Fusion本体に保存されるので、次回起動時に操作は不要です。なお、Switch上では、USB接続のコントローラーを“1番目のコントローラー”に設定変更することで正しく操作できるようになります。

 Brook UFB Fusionのボタンの配線がうまくいっているかどうかのチェックは、Switchが便利です。「設定」→「コントローラーとセンサー」→「入力デバイスの動作チェック」を選択すると、押したボタンの種類を判別できるモードになります。Brookが提供しているマニュアルの表と見比べて、正しく配線されているかどうかを確認できます。ついでにターボモードが正しく機能するかどうかもここで確認できます。

Switchの「入力デバイスの動作チェック」画面。1K~3K、1P~3P、L3、R3と押したところ
Brook UFB Fusionのマニュアルにあるキーマップ

 従来の「Brook UFB」は発売タイミングの問題からか、そのままではPS5対応ができず追加基板で対応していましたが、「Brook UFB Fusion」は基板サイズやピン配置、使い勝手を継承しつつ、満を持してのPS5対応モデルになっています。折しもPS5対応で「ストリートファイター6」が発売され好評を博しているタイミングですから、待ち望んでいた人も多いでしょうし、さっそく大会でも使われていたようですね。

 アケコンをゲームのプラットフォームごとに用意するとか、コンバーターを使ってみたものの遅延にうんざりするとかの、長年あったいろいろな苦労や課題が、BrookのUFBシリーズで過去のものになりました。私のような古いアーケードゲームの移植タイトルを細々と遊んでいるだけという場合でも、まぁPS5対応の必要性はともかく(笑)、マルチプラットフォーム対応や低遅延といった部分でしっかりと恩恵は感じられています。


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