仕事でカメラやノートPCを持ち運ぶ機会が多いので、ペリカンのキャスター付きケースを買ってみました。
ペリカンのケースは樹脂製ですが重いのが難点でした。「ペリカン エア」は従来比で40%軽量化したというシリーズ。買った「1535」というサイズは、2輪のキャスター付きモデルの中では最も小型の製品です。発売のごく初期と比較するとトップハンドルの追加やラッチの仕様などいくつか仕様変更があったようですが、基本的には同じまま販売されています。キャスターはおそらく耐久性を考慮したであろう、接地面積が幅広くタフな仕様で、アスファルトなど都市で使うとゴーゴーとうるさいと評判です。
内装はA-MoDe製で
ペリカンケースは内装を自由にできる反面、何かを指定して、追加あるいはセットで買わないといけません。純正のパッドディバイダー(仕切り)などは円安の関係か、かなり価格が上がっているので、香港の「A-MoDe」というブランドが販売しているパッドディバイダーを買いました。このブランドはフタの裏側につけるオーガナイザーなども販売しているので、ノートPCを収納できるタイプをセットで買いました。
さらに、静音タイプのキャスターも売っていたので、これも交換を考えていたのでちょうどよいとばかりに一緒に買いました。

パッドディバイダーは組み立てて上からストンと入れるだけで、シンプルです。フタ側のオーガナイザーはベースになる薄いプラ板を、純正で用意されている穴にねじ止めし、ノートPCケースなどをマジックテープで固定したら完了です。

以下は自己責任でおこなう改造です
シャフトを叩いて抜く
キャスターの交換は、ケース裏側のネジを全部はずすことでできるようになります。キャスター部分と延長ハンドルをカバーしている部分は一体になっており、これがまとめて外れます。
キャスターはシャフトを外すことで交換できます。シャフトは内側から外側に向かって、貫通ドライバー(※非推奨、後述)やハンマーを使って打ち出すことで外れます。衝撃が逃げないようにちゃんと工夫すれば、強めのハンマーの打撃5~6回で、ポロッとシャフトが外れます。
基本的な構造として、シャフトの外側にある、表面がギザギザになった部分が穴に刺さり、シャフトが固定されています。ギザギザ部分が穴から出れば、シャフトは簡単に引き抜くことができます。

買ったA-MoDeのキャスター(ラバーホイール)はペリカンの1535用なので、サイズ調整などは不要です。ベアリングは純正のキャスターに付いているベアリングを外し、移し替えればいいだけです。





ここで私の失敗の例を紹介しておきます(笑)。まずYouTubeで1535のキャスターを交換している動画を適当に探して真似をしたのですが、この動画ではシャフトを外側から内側に向かって、つまり逆方向にシャフトを打撃し、キャプションいわく1時間ほど格闘してシャフトを取り外していました。もちろんこれは間違いで、真似をした際に少しだけシャフトは動きましたが、一定のところで止まり「ギザギザは外側にあるし、やっぱり逆なのでは?」と気が付きました。
次の失敗は、貫通ドライバーで打撃した際について。打撃する対象面に対しドライバーが斜めになっていたせいか、表面をこじり、見えない部分でシャフト表面に金属の頑丈な突起が成形されてしまっていたことです。この突起が穴の中でひっかかり、打撃してもシャフトが穴の中をほとんど動かないという状態になりました(後から分かったことです)。


最終的に何度も打撃を繰り返して外れましたが、外れるまで原因が分からなかったので「なんでこんなに固いんだろう。構造的にもここまで抜けにくいのは理解できない」と、頭の中がハテナだらけでした。次に作業した反対側は5~6回の打撃でシャフトがポロっと抜けたので「えっ?」となり、抜けにくかった原因を発見できました。最終的に飛び出た突起は金属線用のニッパーでカットして事なきを得ました。
失敗の根本的な原因は、シャフトを押し出す目的には適さない貫通ドライバーを使ったことです。こうしたピン抜きと呼ばれる作業には「ピンポンチ」という道具を使うのが正しい選択でした。一般的なピンポンチの長さはだいたい15cm程度、先端は平らで、対象の表面を傷つけません。普通のドライバーより少し短いので、ハンマーを振るうスペースもわずかながら確保しやすいです。
1535のキャスターのシャフトは、直径が約6mmです。今後もキャスターのメンテナンスをする可能性はあるので、6mmのピンポンチを入手しておこうと思います。
ちなみにキャスター部分だけでなく、ペリカン本体のラッチや取っ手などの可動部はだいたい平行ピンが使われているので、自分でやる修理やカスタムで交換する際には、対応するサイズのピンポンチを使うのが定石ということになると思います。例えばTSAロックが付いたラッチに交換するという場合なら、ラッチのピンを抜くために3mmのピンポンチを使います。
これから交換作業をするという人は、ハンマーと一緒に対応するサイズのピンポンチを用意しておくことを強くおすすめします。




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